ちょうど半年前の4月16日、キミたちは1部の大会に出てジュニアラッキーズ との試合を戦った。
3−11と5回表を終わって絶望的な点差で最終回。
6番からの打順で四球、エラー、そして4連打で一気に5点を奪い、 あと一歩のところまで追いつめた。 「よくやった。頑張ったね」
スタンドでは熱い戦いに涙するお父さん、お母さん。
「でも負けは負け。悔しい…」
試合後、そう言ってたくさんの涙を高洲公園に流したよね。
その時から、チームの目標は日ハム旗になったんだ。
あの悔しさがあったから、必死でバットを振り、泥だらけになってコーチたちのノックを受け、ミット目掛けてボールを投げた。
たくさんの汗を流した。上手くできなくて涙がグランドにこぼれ落ちた。
「あの悔しさを忘れない」
キミたちは前だけを向いていたね。
そして県大会2回戦、ドラマが待っていた。
強豪・ナスパマリーンズとの一戦。
時間的にも最終回、3−8と5点ビハインド。
あの時に届かなかった想い、遠かったホームベース…。
「今度こそ…」
デジャブを見るように6番の四球から始まった最終回。
長打と四球、そしてネクストで下を向いてたエースの魂の追撃タイムリー。
風向きがベイマリに一気に変わった。
内野安打、押し出し四球、今や頼もしい4番のタイムリーで1点差。
そして、ピンチに意地でもボールを逸らさなかったキャプテンが逆転のタイムリーツーベース。
その勢いのまま、さらに追加点を加え終わってみれば11—8の激勝。
「逆転できると思ってた」
胸を張って答えたキミたちの、素晴らしい戦いにチームワークに応援席のお父さん、お母さんたちの顔は、みんなくしゃくしゃ…。
「奇跡を見せてもらったよ」
誰かが不調でも誰かがカバーする。
ベンチにいる全員で勝ち取った千葉県ベスト4。
でも、これで終わりじゃないよね。
「優勝して関東大会、行くぞー!」
試合後、キミたちの声が青い空に響いた。
あと2つ…、夢の続きは、まだ終わらない。