いきなり強敵との激突となったこの日、みんな気合いマックスで臨みました。勿論、相手も全力。序盤に連打を浴び、リードを許す苦しい展開となりました。でも中盤、子どもたちは底力を発揮します。懸命にバットを振って1点ずつ取り返し、遂に逆転。後半は双方が必死で守り、1点リードのままの最終盤、後攻ベイマリの攻撃となりました。
規定時間まで残り数分、数十秒、数秒。
やろうと思えば、大人の手段はありました。
私見ですが、学童野球である以上、指導者にも保護者にも勝利を超える価値観が必要だと感じています。
それは、ただ栄光のためでなく。
今回でいえば、大人が近道を見せることが必ずしも正しいとは限らない、ということではないかと思います。子どもたちはこれから、笑顔の数と同じぐらい困難にぶつかります。時に1人で耐え、あるいは仲間とともに歯を食いしばり、道なき道を進まねばならない瞬間がきっとくる。
自分たちの力だけで戦うことを覚えてほしい。
得点を奪えず次の回に入ってベイマリは追いつかれ、特別延長戦で3点を失い敗れました。
素晴らしい試合でした。勝者も敗者も、胸を張れ。
「少年野球という世界で、大好きな仲間とハラハラドキドキの2年間の旅。このチームを持った時からずっと考えていた。終わりの瞬間、どんな光景を目にするのか、彼らにどんな光景を見せることができるのかを・・・。
秋大会で目指したものは勝ち負け以上の価値観、極限の状態で全てを受け入れて、全てを出し切って戦うこと。最後にこういう結果にしたのは、野球の神様のジャッジ。大事なものを守りたいなら強くなれ、大事なものを手に入れたいならもっと強くなれ!というメッセージ。これからの5年後、10年後の未来で起こる本当の勝負、人生の大一番に勝つためのヒント。勝ち負け以上に大切なものがあること。
君たちには、自らの手で道を切り拓かなければならない時は来る。そのことを学んで欲しかった2年間。この2年を経験した君たちの未来は必ずや光り輝く。君たちもまた、少年野球の真髄を思う存分に体感した真の勝者だと私は思っている」(監督の言葉より)